水都大阪の新名所「中之島漁港」レポート

晴れ晴れとした青空をバックに色とりどりの大漁旗がはためき、生け簀には悠々と魚たちが泳ぐ・・・ここは「中之島漁港」。堂島川、土佐堀川が合流し、大阪湾へと流れる安治川沿いにある中之島GATEに 2015年2月に開港した大阪の新名所です。

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大阪市西区川口。周辺にはオフィスやマンションが建ち並び、警察や税務署などの公的機関や倉庫などがあるものの、目立った商業施設はなく、人通りもそれほど多くありません。 そんな町並みを、安治川方面へ向かって歩いていくと、ぽっかりと中之島GATEの入り口が現れます。中之島GATEは、「インナーベイマーケット・リゾート」をテーマに、水辺魅力向上のためのシンボル空間エリア創出プロジェクトとして位置づけられた場所であり、「水都大阪」のコアとなるスポットとして、注目されています。
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同地では水都大阪フェス2013他の社会実験イベントが開催され、その時々でにぎわいを見せていましたが、2015年2月に「中之島漁港」が開港したことで、日常的にたくさんの人が訪れるようになりました。 新鮮な海の幸を目当てに、周辺にお住まいの方だけでなく、仕事帰りのビジネスマン、大型バスで訪れる観光客、そして休日には家族連れなどさまざまなゲストが訪れ、行き交う様は、かつての「天下の台所 大坂」を彷彿とさせます。
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◆港と街をつなぐ鮮魚取引所・中之島漁港

「中之島漁港」には、日本各地の漁港から、新鮮な旬の魚介が届けられ、販売されています。 普通の鮮魚店と異なるのは、多くの生け簀があって、通常生では手に入らないような魚が活きたまま販売されていること。例えば、サバなどは、大阪で手に入るのは、塩サバや、酢でしめたものなどが多く、生のものはなかなか口にする機会がありませんが、ここでは、新鮮なサバが生きたまま販売されているため、お造りなどでもいただくことができます。川を挟んだ対岸には、大阪市中央卸売市場があり、業者さん同士の取引が行われていますが、中之島漁港にもプロの料理人の方が業務用として買い付けに来られることもあるのだそうですよ。

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ぶっかけ漁師丼
◆新鮮な活魚をその場で食べられる!

また、構内では、市場で提供しているものと同じ食材を使ったメニューをいただくことができます。看板メニューは、漁師の方が船で食べるまかないをイメージした「ぶっかけ漁師丼」。 ご飯のうえに、新鮮な魚がたっぷり盛られたボリューム満点の丼ぶりです。

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BBQ場も併設しており、お好みの魚介を注文し、コンロで焼いて食べることができます。この日は赤穂の牡蠣や、岩手産のホタテなどをいただきました。目の前でジュージューと焼ける魚介はどれもプリプリ~♪アツアツを、塩やレモン、ぽん酢などシンプルな調味料でいただきます。お肉のメニューもあるので、お子様や魚介が苦手な方が一緒でも安心です。中之島を背景に、川の流れと大漁旗を眺めながら海鮮料理を食べるのも乙(オツ)なもの。いつも眺めている中之島のビル群が、海辺の街に見えてきそう。
【メニューのご紹介】
●ぶっかけ漁師丼・・・900円※ミニ漁師汁付
●日替わり海鮮丼・・・1500円 ※ミニ漁師汁付
●恵比寿さばのお造り・・・800円
●若鶏の唐揚げ・・・600円
●おにぎり・・・100円(1個)
●浜焼きBBQメニュー※・貝焼きメニュー
殻付ホタテ、殻付カキなど・・・300円(1個)
・海鮮焼きメニュー
魚串・・・300円 イカの一夜干し・・・500円
・焼肉メニュー
厚揚げ焼き・・・200円 上ハラミ焼き・・・800円

※メニュー、価格は、変更になる場合がございます。 ※浜焼きBBQは1テーブル300円の炭代が必要です。

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◆中之島GATEと旧川口居留地

ところで、現在中之島GATEがある一帯(大阪市西区川口)は、長い鎖国の後、日本が幕末に開国した際に、外港「川口波止場」として開港した場所であり、かつて外国人居留地もあったことを、みなさんご存知でしょうか。まさに、海外から大阪への玄関口=“GATE”だったのです。 川口居留区の歴史がはじまったのは、1868年(慶応4年)のこと。居留地26区画が外国人に競売され、居留地に接する本田・富島・古川・梅本町も外国人雑居地となりました。明治時代には10区画の増設がありこの付近は洋館や教会・学校などが並び、イギリス人,アメリカ人、オランダ人、フランス人、ドイツ人、ベルギー人などが住み、対外貿易の窓口としてだけでなく、文明開化を象徴する地として異国情緒豊かな雰囲気を漂わせていたそうです。 やがて、港は神戸に移ることになり、明治32年には居留地も撤廃されました。いまはその面影はなく、石碑や美しい教会などが、当時の名残を僅かに伝えています。

中之島漁港のある土地は、かつて税関があった場所。今回長らく空き地だったところが、大阪の観光拠点として利用されることになりました。中之島漁港の開港により、蘇り、人々が行き交う中之島GATE。みなさんもぜひ訪れて、水都・大阪の新たな歴史のはじまりにお立ち合いください。
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川口居留地跡石碑(川口基督教会近く)
walk_gyokou_k3川口基督教会
中之島漁港からの中之島の夜景 中之島漁港からの中之島の夜景
(2015年5月掲載/2017年2月更新)
中之島漁港
住所
大阪市西区川口2丁目9番地
TEL
06-6581-3315
アクセス
〇地下鉄中央線・千日前線「阿波座」駅から徒歩10 分 〇京阪中之島線「中之島」駅から徒歩17 分
〇JR 大阪環状線「野田」駅、地下鉄千日前線「玉川」駅から徒歩20 分
〇大阪市営バス「川口1丁目」バス停から徒歩5分
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