~中之島香雪美術館 開館記念 第III期展 茶の道にみちびかれ~ レポート

3月にオープンした中之島香雪美術館では、開館記念の第Ⅲ期展を迎えています。今回は、中之島香雪美術館 開館記念展「珠玉の村山コレクション ~愛し、守り、伝えた~」 III 茶の道にみちびかれ をレポートいたします。
◆開館記念展「珠玉の村山コレクション ~愛し、守り、伝えた~」 III 茶の道にみちびかれ
3月にオープンした中之島香雪美術館では、開館記念展「珠玉の村山コレクション ~愛し、守り、伝えた~」 III 茶の道にみちびかれ が開催されています。開館記念展は5期にわたり展開中であり、今回はその3期目。朝日新聞社創業者の村山龍平氏の収集美術品の中から、選りすぐりの約300点を、1年を通して5期にわたって紹介しています。館所蔵品には重要文化財19点、重要美術品23点も含んでおり、時代や作家を代表する名品も数多くあるようです。これらの所蔵作品に、村山家から寄託された作品を加えた「村山コレクション」については、これまでまとまった形で紹介されたことはなく、今回初めてその全容が公開されることになっています。オープンニングを飾った第I期展「美術を愛して」、第II期展「美しき金に心をよせて」に続き、第III期展「茶の道にみちびかれ」を、9月2日(日)まで開催しており、村山氏が収集し、茶会で用いた茶道具など約100点を紹介しています。
中之島フェスティバルタワー・ウエスト
開館記念展「珠玉の村山コレクション ~愛し、守り、伝えた~」 III 茶の道にみちびかれ
村山氏が収集し、茶会で用いた茶道具など約100点を紹介
村山龍平記念室 洋館2階居間の再現
茶室
◆村山龍平氏と茶の湯
今回は、茶道具の展示ですが、実は、村山氏自身は、元は茶の湯が好きではなかったと語っています。しかし、その言葉とは裏腹に、次第に茶の湯へと傾倒し、茶道具の収集を始めます。明治35年、村山氏は、朝日新聞の上野理一氏、藤田組の藤田伝三郎氏らとともに、大阪の実業界を中心にした茶の湯の会「十八会」の発起人となります。
本展では、村山氏収集の茶道具の数々はもちろん、明治35年の「第3回十八会」、大正11年京都・光悦寺で開催された「光悦会」、大正13年神戸・御影での「玄庵残茶会」について、当時の記録をもとにした道具の組み合わせなども紹介しています。さらに、大正時代に刊行された名物茶道具カタログ『大正名器鑑』に収録された、村山氏秘蔵の茶入と茶碗を一堂に展示しています。
大正時代に刊行された名物茶道具カタログ『大正名器鑑』
大海茶入 銘 唐大海
◆茶器の名品の展示
また、室町時代後期の記録に登場し、400年以上前からその存在が確認できる唐物「肩衝茶入 銘 薬師院」(南宋~元時代、13~14世紀)のような名物茶器など、所蔵の茶道具を代表する作品が展示されています。さらに、琳派風の懐石道具を得意とした尾形乾山が制作した「色絵立葵文透鉢」(江戸時代、18世紀)のような、時代の古さを感じさせない卓越したデザインによる作品も展示されています。
尾形乾山「色絵立葵文透鉢」
唐物「肩衝茶入 銘 薬師院」
◆茶道の巨人・千利休!
言わずと知れた茶道の巨人・千利休。今回の作品の中には、千利休ゆかりの作品も展示されています。有名なのは、「桂籠花入(かつらかごはないれ)」。元々は、桂川で漁師が腰にぶら下げていた魚籠(びく)で、釣った魚をいれるためのただの籠(かご)でした。利休は普段使いの日常品に美を見出し、これを、生花を入れる籠として見立て、全く別の用途に生まれ変わらせたのでした。高価な舶来品に価値を見出すのではなく、人によっては見過ごされがちなものに価値を見出した利休。シンプルでさりげない中にも洗練された美を見出す、まさに利休の真骨頂。物質にあふれた現代の我々にも考えさせられる逸話ではないでしょうか。
「桂籠花入(かつらかごはないれ)」
◆真夏の美術鑑賞で、心も体もリフレッシュ!
ビジネス街 中之島の中心地のひとつ、中之島フェスティバルタワー・ウエストの4階に中之島香雪美術館はあります。超高層のビルの中にありながら、「市中の山居」と呼ぶにふさわしい落ち着いた空間で、まさに都会のオアシスとも言えるスポットとなっています。夏本番、毎日、暑い日が続いていますが、美術鑑賞で、心も体もリフレッシュしてみませんか!
(2018年7月現在)
中之島香雪美術館 開館記念展 「珠玉の村山コレクション ~愛し、守り、伝えた~」 
III 茶の道にみちびかれ
開催日時
2018年7月7日(土)~9月2日(日)10時~17時 入館は閉館30分前まで
休館日
月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
会場
中之島香雪美術館
入場料
一般900円(700円)、高大生500円(350円)、小中生200円(100円)。
※(  )内は20名以上の団体料金
http://www.kosetsu-museum.or.jp/nakanoshima/exhibition/2018_2-2/
アクセス
○京阪中之島線「渡辺橋駅」下車12番出口直結
○大阪メトロ 四つ橋線「肥後橋駅」下車 4番出口直結
○大阪メトロ 御堂筋線・京阪本線「淀屋橋駅」下車7番出口より徒歩5分