気になるお店
時を紡ぐ中之島図書館で味わう、新感覚の「ムッフル」
「囲と囲曲 中之島図書館」
カフェ
2026.07.28 Tue
1904年に誕生した中之島図書館は今も多くの人々に利用されており、外観はルネッサンス様式、内部空間はバロック様式を基本とした歴史的建築物は国の重要文化財に指定されています。今年4月、その歴史ある図書館の中に、カフェ「囲と囲曲(カコとイマ)」がオープン。「過去と今が一つになる場所」をコンセプトにしたお店づくりと、オリジナル商品「ムッフル」が人気を集めています。店長の福原 奈々花さんに、店名の由来や中之島図書館への出店の経緯、こだわりのメニューなどをお聞きしました。
(トップの写真および★マークは、囲と囲曲 中之島図書館さまよりご提供)
囲と囲曲 中之島図書館 店長 福原 奈々花さん。
■歴史ある中之島図書館の空間で、特別な時間を過ごしていただけるお店づくり
-囲と囲曲 中之島図書館さまのコンセプトを教えてください。
「囲と囲曲」は、ベーカリー「パンとエスプレッソと」を展開する株式会社日と々と(ひとびと)が手掛けるカフェです。コンセプトは、過去と今が一つになるお店をつくること。中之島図書館という歴史ある建物の良さを残しながら、ゆったりとくつろげる空間で食事を楽しみながら今という特別な時間を過ごしていただけることを目指しています。
-なぜ中之島図書館に出店したのですか?
「囲と囲曲」の出店基準は、昔から人々に大切にされてきた歴史ある場所であること。嵐山にある1号店は、昔の人の暮らしぶりが感じられる、伝統的な京町家に出店しました。2号店の候補地に挙がった中之島は、大阪の文化と歴史が息づく場所。出店先となる中之島図書館は、国の重要文化財にも指定されている歴史的建築物であり、大阪の歴史に関する本、貴重な文献などがたくさん集まる“知の象徴”です。2号店出店にはぴったりな場所でした。
■こだわりづくしの「囲と囲曲 中之島図書館」
-初めて店名を見たときに読み方に迷いました。なぜ「囲」「曲」の漢字を使っているのですか?
お客さまにも「なんて読むの?」とよく聞かれます(笑)。
「囲」と「曲」を見てもらうと、四角い枠の中に格子が入っているような形で、ワッフルの網目に似ていますよね。そのような漢字遊びを取り入れた店名になっています。
また、私個人の解釈ですが、ただの当て字ではなく「囲う」には「大切なものを守る」、「曲がる」には「方向を変える」というようなニュアンスが含まれている気がして、「過去を守りつつ新しいものを作っていく」という、お店のコンセプトに沿った意味を込め「囲」「曲」の字を当てたのかなと思っています。
-すごく素敵な店内ですね。デザインのこだわりについてお聞かせください。
中之島図書館の歴史ある室内デザインを生かしつつ、それになじむような家具やインテリアを取り入れ、グラス類はレトロなデザインのものを採用するなど、どこか懐かしいけれど洗練された空間を意識しました。また、図書館という場所を考慮し、店内には建築・デザイン・エッセイなど感性に触れるような本をたくさん置いているので、リラックスタイムのお供に読んでいただきたいですね。
-お店の中で、福原さんの一押しポイントはどこですか?
大きな窓から見える景色です。季節の花や樹木、川辺などの水辺空間が見え、窓から中之島の自然を楽しむことができます。雨のときも日差しが強いときもなるべくブラインドを閉めず、外が見えるようにしています。
-メニュー表も本のようなデザインになっていて面白いですね。
中之島図書館内にあることからメニュー表にもこだわり、形はブックレット(小冊子)。読むだけで想像力を掻き立てられる短編小説のような文章で各メニューを紹介しています。今後は期間限定のメニューは栞にして挟むなど、より図書館らしさを出すアイデアを試してみたいです。

メニューへの想像が膨らむ、小説風のメニュー表。★
■オリジナル商品「ムッフル」。クラシックさにこだわったメニューも。
-まず、「ムッフル」について教えてください。
「ムッフル」は、「パンとエスプレッソと」がつくったオリジナル食パン「ムー」の生地を使った新食感のワッフルです。普通のワッフルとの最大の違いは食感。普通のワッフルは、カリカリ、ふわふわどちらかに食感が偏るのですが、バターをたっぷりと練り込んだムー生地のおかげで、外はカリカリで中はふわふわという、両方の食感を兼ね備えているのがムッフルの魅力です。
-さまざまなムッフルメニューがありますが、メニューづくりのこだわりは何でしょうか。
ムッフルのメニューづくりでこだわっていることは、歴史ある中之島図書館の雰囲気に合うような、レトロ・クラシックなものにすることです。初めて来るお店だけれど、どこか見覚えのある、親近感のあるたたずまいを目指しています。一方で、「フライドチキンムッフル」など目新しさを感じるムッフルづくりにも力を入れていて、過去と今の両方を感じていただける10種類以上のムッフルを展開しています。
食材も国産のものにこだわり、実現したいメニュー・味わいのために、食材の産地・ブランドなどを日々試行錯誤しています。
-一番人気のムッフルはどれですか?
ダントツで「蘭王卵のベーコンエッグムッフル」です。黄身の赤みが強く、濃厚な味わいのブランド卵「蘭王」を2個、ベーコンを2枚ムッフルに乗せていてボリューム満点。
スイーツ系ムッフルでは「コムハニーと自家製ジェラートムッフル」が人気です。鼻から抜けるような、さっぱりした甘味の巣蜜(コムハニー)がポイントで、ジェラートがよく合う一品です。
人気No.1、ボリューム満点の「蘭王卵のベーコンエッグムッフル」。★
スイーツ系ムッフルで人気の「コムハニーと自家製ジェラートムッフル」。★
-ムッフルのおともに一押しのドリンクメニューは?
「エスプレッソトニック」です。エスプレッソの豆はさまざまな産地の豆をブレンドし、試飲を繰り返してたどり着いた配合のものを使っています。エスプレッソ、トニックの両方が引き立つような味わいがこだわりです。エスプレッソは苦くて飲みにくいというお客さまにも楽しんでいただけるドリンクで、お帰りの際に、使っている豆とトニックを教えてほしいと聞かれるほどです。
苦味と炭酸のハーモニーが絶妙な「エスプレッソトニック」。★
-ムッフル以外の人気メニューは何ですか?
「蘭王卵のプリン」です。蘭王卵のコクと旨味を引き出しており、普通のプリンと比べて濃厚さが段違いです。生クリームを乗せただけのシンプルな見た目ですが、プリンを目当てに来られるお客さまもおり、ムッフルと肩を並べるほどの人気ぶりです。
他には、こだわりのエスプレッソを使った「珈琲ゼリー」が人気です。凍らせたコーヒーを砕いて中に入れているのが特徴で、サクサクとしたかき氷のような食感が楽しめます。
プリンやコーヒーゼリーのような昔からの定番メニューは、レトロ・クラシックさを大事にする当店限定なのですよ。

囲と囲曲 中之島図書館限定「蘭王卵のプリン」「珈琲ゼリー」。★
■中之島に根付き、お客さまに愛されるサードプレイスのような場所に育てていきたい
-周辺の店舗とのコラボや、中之島のイベントへの参加予定はありますか。
中之島で開催されるイベントに、ブース出店のオファーをいただいており検討中です。お店の枠を越えた活動にも取り組むことで、たくさんの人に「囲と囲曲」を知ってもらい、中之島のお店として皆さまに愛される存在になりたいです。
-今後の展望をお聞かせください。
家でも職場でもない「サードプレイス」のような場所になっていけたらいいなと考えています。図書館の中にあるので、本を借りたり返したりするときにちょっと寄ってみようかなという感覚で来ていただけるような場所ですね。一人でぼーっと過ごすのもいいし、自分へのご褒美にムッフルを食べに来てもいいし、お客さまが思い思いの時間を過ごせる場所にお店を育てていきたいですね。
お店づくりへの想いを語ってくれた福原 奈々花さん。過去と今が一つになる場所が、これからどのように育っていくか目が離せない。
<取材レポート>
過去と今が一つになる場所を目指し、壁紙やインテリア、メニューに至るまで、すべてが中之島図書館になじむように整えられた「囲と囲曲」さん。ある人は都会の喧騒を忘れられる癒しの場所として。ある人はアイデアやインスピレーションが沸いてくる場所として。ただのカフェではなく、サードプレイスとして皆さまの生活に寄り添い、特別なひとときを届けてくれるでしょう。
囲と囲曲 中之島図書館
| 住所 | 〒530-0005 大阪市北区中之島1-2-10 中之島図書館2F |
|---|---|
| TEL | 06-4400-5790 |
| 営業時間 | 9:00〜19:00(L.O.18:30) |
| 定休日 | 不定休 |
| アクセス | 京阪中之島線 大江橋駅下車 徒歩約5分 |
