日常より少し上質、贅沢が楽しめる大人の空間。
「Dynamic Kitchen & Bar 響」

「中之島」のランドマークといえば、フェスティバルタワー。その中核ともいえる商業施設フェスティバルプラザの中に、座席数120以上を誇るレストラン『Dynamic Kitchen & Bar 響』があります。
同店を率いる店長の宮阪昌平さんに、お店のコンセプトや人気メニュー、ニューノーマル時代を生き抜く意気込みなどを語っていただきました。
(写真★は、Dynamic Kitchen & Bar響様ご提供)

フェスティバルタワー・ウエストの2階にある『響』。木や石といった自然素材を活かした内装、流木のオブジェなどが、重厚ながら親しみも持てる雰囲気を醸し出している。メインホールに加え、最大20名までの宴会が可能な個室が備わっている。

■「何も足さない、何も引かない」思想から生まれた、趣のある大人の空間

店内に一歩足を踏み入れると感じる、落ち着きのある雰囲気。シンプルさの中に力強さを感じさせてくれます。このお店のコンセプトについて、お聞きしました。

「まず打ち出したかったのは、『普段の上等』です。大切な人や気の合う仲間と、あまりかしこまらず、それでいて普段より少し上質で贅沢な料理やサービス、雰囲気を楽しんでいただけるお店にしました。」


      -それが、お店の内装や雰囲気に表れているような気がします。

「当店の親会社、サントリーの代表的なウイスキー『山崎』の広告に『何も足さない、何も引かない』というキャッチコピーがありました。ピュアモルトの香りは、朴訥ながら明晰。そしてシンプルですが奥が深く、単純でいながら複雑といえます。店内のデザインや内装でもその想いを引き継ぎ、木や石といった自然素材の魅力を活かしつつ、シンプルでいて適度な重厚感を演出するようにしました。『普段の上等』を満喫していただきたいため、軽くならないよう大人の空間を目指しています。もちろん、料理やサービスといった部分にもです。」


      -素材の魅力を活かすということですが、それは食材にも表れているようですね。

「はい。食材の魅力を引き出すために、何よりも生産者さんとのつながりを重視しています。
たとえばお米は、甘くおいしいことで名高い能登棚田米を使っているのですが、響のスタッフで田植えや刈り入れに行くなど、産地とのつながりを強く持つようにしています。
そうやって仕入れた素材の魅力を、職人の技によって最大限に引き出すことを心掛けています。」

店長の宮阪昌平さん。『普段の上等』というコンセプトにかける想いを語る。


メインホールの奥にはオープンキッチン。おいしさが目と香りで味わえる。


『響』『山崎』をはじめ、親会社サントリーの銘酒がズラリと並ぶ。


ホールの脇にはカウンター。正統派バーとしても使える。一人での来店も大歓迎だとか。お酒好きには、絶対のおすすめ。


大きな窓を備えた個室。向こうに見えるのはフェスティバルホール。椅子背後の壁を取り払えば、最大20名までの大きな個室になる。

■炊き立てを提供したいという想いから、食べ放題メニューを実施


      -先ほど、能登棚田米のことをお聞きしましたが、それ以外に、食材のこだわりは?

「お豆腐ですね。当店では石川県輪島市の日月豆腐店がお作りになっている『能登寄せ豆腐』を使っています。これは最初は、何も付けず豆腐だけで食べていただきたい。次に能登の天然塩を付けて。最後に醤油と薬味、と3段階の食べ方をおすすめしています。」


      -豆腐という一つの食材で、三つの味わいが楽しめるわけですね。その他、鯛めしも人気とか。

「当店の鯛めしは、石釜を使って40分じっくりと炊き上げた自信のメニューです。このおいしさを、お客さまにお好きなだけ堪能していただきたいという思いから、ランチタイムは『おかわり自由』『食べ放題メニュー』として提供しております。これを目当てのリピーターさまも多いですよ。」


今や「響」の名物ともいえる鯛めし。これがおかわり自由、食べ放題というからびっくり。★


コンロに載せられた石釜。この石釜ひとつで約2人分の鯛めしが炊ける。ランチタイムは、コンロいっぱいに石釜が並ぶ。


      -『鯛めし弁当』もご用意されているようですが。

「やはり新型コロナの影響ですね。営業時間は短くなりましたが、一人でも多くのお客さまに当店の鯛めしを満喫していただきたく思い、『鯛めし弁当』をご用意させていただきました。こちらは温かいうちにお召しあがりいただきたいので、ご注文をいただいてからお作りしています。みなさま、事前にご予約くださっています。」


      -これからよい季節ですし(取材時9月末)、外でいただくのもよいかも。

「そうですね。中之島あたりは都心とは思えないほどゆったりできますので、ベンチなどで当店のお弁当をじっくりお召し上がりいただくのも、いいかもしれませんね。」

2021年「秋の鯛めし弁当」。繊細な味に加え、ボリュームも満点。お腹だけでなく、心も満腹になるお弁当だ。★



新型コロナの影響もあり、ランチに注力。ご覧の「響膳」をはじめ、多彩なメニューをそろえている。ご飯はもちろん、鯛めし。★



鯛めしとならんで力を入れているのが、「牛」。生産者から直接仕入れる山形牛が魅力だ。写真は「国産牛すき焼き膳」。★

■ニューノーマル時代、新たな価値観を提供し続けたい


      -今、新型コロナで飲食業界はたいへんな時期だと思います。

「そうですね、特に当店のような120席を超える店は、どこも本当に大変な状態だと思います。でも以前を懐かしんではいられません。おそらく元に戻るというより、これから新しい消費形態が始まるのだと思います。私たちも、それに合わせて変化していく必要があります。」


      -具体的に、どのようなことをお考えでしょうか。

「7月15日に、新しく『肉匠 響』というデリバリーブランドを立ち上げました。最高ランクの黒毛和牛である『山形牛』の専門店です。当店のこだわりである、素材のおいしさを活かした調理法で作り上げた逸品を、ご家庭などでお楽しみいただきたいと、Uber Eats(ウーバーイーツ)と連携し、出来立てのおいしさをご家庭までデリバリーさせていただいております。」

7月にスタートした「肉匠 響」のチラシ。
最高ランクの山形牛本来のうまさを活かす調理法による珠玉のメニューが、ご自宅で堪能できる。
「響」ならではの新しい試み。


      -デリバリーを始めるとは、果敢なチャレンジのように思えます。

「テイクアウトやデリバリーは、ほんの足掛かりに過ぎないと思っています。これから先、いったい世の中はどうなるのか、正直、まだわかりません。どんな方法がよいのか、誰にもわからない。でも、だからこそチャンスでもあると思っています。」


      -ピンチこそチャンスといいますね。

「新型コロナ禍によって、お客さまに新たな価値を提供する必要に迫られ、それによって我々は変わることができました。誤解がある言い方かもしれませんが、変われない者は自然淘汰されるのかもしれません。
まだ始まったばかりです。これからも世の中やお客さまの変化に合わせて、新しい価値観を提供していきたいと思います。」

新しい消費形態に合わせ、自らもどんどん変化していく、と熱く語る宮阪店長。

<取材レポート>

座席数120を超えるお店は、本サイト『気になるお店』の歴史でも最大規模を誇ります。それだけに『Dynamic Kitchen & Bar 響』にとって、この1年半ほどの新型コロナの影響は甚大だったはず。
その中で、ウィズコロナ、ニューノーマル時代に適応した新しい大規模レストランの在り方を追求する宮阪店長の姿勢には、圧倒されました。
どのような時代が来ようとも、その根底にあるのは「お客さまファースト」の姿勢。「響」と宮阪店長の姿勢に、大いに共感しました。

Dynamic Kitchen & Bar 響
住所 大阪市北区中之島3-2-4中之島フェスティバルタワー・ウエスト2F
TEL 06-6210-1750
営業時間 ●ランチ 11:00~15:00(L.O.14:30)
●ディナー 月~金 17:00~23:00(L.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
●土日祝 17:00~22:00(L.O.21:00、ドリンクL.O.21:30)

※新型コロナの影響により変更の場合があります。詳しくはお店におたずねください。
定休日 無休(年末年始・ビル休館日除く)
アクセス アクセス
○京阪中之島線 渡辺橋駅下車 徒歩約5分
○大阪メトロ四ツ橋線 肥後橋駅下車 徒歩約2分
URL https://www.dynac-japan.com/shop/hibiki/nakanoshima/